このところ、自動車保険にユニークな商品が相次いで誕生しています。テレビCM等でもご覧いただいていると思いますが、事故の被害者だけでなく加害者にも保険金が支払われる「人身傷害補償保険」や、支払った保険料の一部が戻ってくる「積立型の自動車保険」等です。数多くの営業車を抱えている会社にとっては、選択肢が広がって喜ばしいことですが、税務上の取扱いも複雑になってきています。
企業の多くは、そういった保険商品のなかから自社に適したものに加入します。しかし、保険料は依然として高いのが実情です。そのため、積立型の自動車保険で保険料の一部が戻ってくる商品の人気が高いようですが、税務上の取扱いで問題がないわけではありません。
自動車保険はほとんどが掛捨て型で、会社が支払う保険料は全額損金に算入することになっています。そのため、保険期間が1年以上で、満期返戻金が支払われるタイプの損害保険についても同様に扱えると勘違いする人が少なくありません。ところが、正しくは支払った保険料のうち、積立て保険料に相当する部分の金額は、損金に算入できません。資産に計上し、法人税の課税対象になるのです。
なお、その保険料が一部戻ってくる損害保険は、3年間無事故が条件。実際に戻ってきたときには、資産計上していたものを現金勘定にシフトさせることになります。また、事故で戻ってこないことが確定した場合は、その時点で資産計上していた額を取り崩します。戻ってくる保険料の額は、おおよそ1年間分が目安。高い保険料を支払って事前に一部を資産計上しなければならないことから、戻ってくる保険料との見合いが重要になってきます。
運営上、多くの自動車を保有する必要のある会社にとって、自動車保険加入時には税金面での注意が必要といえます。